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リベリオン -反逆者-

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原稿も一休みしたので、たまっていたDVDを消費しています。

『WALL・E』を見て以来微妙にSFモノに興味がわいてきて、前取り上げた『1984』のようなユートピア・ディストピアに関わる作品を探していました。

そこで、「感情を取り締まる国家」と「ガン=カタ」を組み合わせた『リベリオン -反逆者-』がおもしろそうだったので早速取り寄せてみてみることに。

以下ネタバレ注意



~あらすじ~

第三次世界大戦後の世界。絶対的な警察国家は、国民に強烈な精神抑制剤プロジアムを服用させ、絵画や映画、詩集、音楽を奪い取り違反するものは有無を言わさず処刑してきた。感情犯罪取締官(クラリック=聖職者)のプレストンは、国家のために忠実に任務を遂行していったが、反乱者メアリーの逮捕をきっかけに、感情を取り締まることに疑問を抱き始める。彼の中で生まれた行き場の無い感情は、ついに自由を求める戦いへと変化した!銃と武術を融合したホン作オリジナル格闘術"ガン=カタ"<GUN=KATA>が縦横無人に繰り広げられるスピード感あふれるSFアクションムービー!
(DVDの裏パッケージより引用)





~感想とか~

 ディストピアで陰鬱な世界観を描きつつも、爽快なアクションと救いのあるエンディングで非常に見やすく、楽しめる作品でした。
 カンフーや刀を用いたアクションもありますが、やはり注目してしまうのがガン=カタです。「相手の弾をよけ、自分の弾をあてる」というガン=カタのシンプルな戦術ですが、一方で「なぜ見方の弾は当たって敵の弾はこっちに当たらないんだ」という疑問に対する「シンプルな」答えなんだとか。なるほど。
 この作品を見る前に、ジョージ・ルーカス監督の『THX-1138』という同じく「感情が規制される」世界を描いた映画を見たのですが、表現が前衛的過ぎてよくわからないシーンも多く、脱出劇のわりにはだれる展開に、「『リベリオン』もそんな作品なんじゃないだろうか」と不安を感じていましたが、まったくの杞憂でした。カンフーと銃を組み合わせたガン=カタ・アクションが非常に爽快で、「『マトリックス』を超えた!」という宣伝コピーがそれを端的に表しています。(実際はどうなのかはともかくw)


 しかしこの『THX-1138』や『マトリックス』はあくまでも「人間VSコンピュータ」の対立であって、『リベリオン』の世界観とは若干異なると思われます。それらよりももっと近い世界の作品といえば、やはりジョージ・オーウェルの『1984』でしょうか。
 国家を牛耳る父なる存在(ビックブラザー、ファザー)や、その存在の生死に関わる真実は隠匿されてること、コンピュータ(テレビジョン)だけではなく人間の直接的な行為で行われる監視社会、そしてその社会への反逆者と反逆者を利用して逆に取り締まる国家、などなど。共通事項というか、あきらかに『リベリオン』は『1984』を意識して作ってるように感じられます。『1984』の主人公はオブライエンですが、同じ名前の人物が『リベリオン』にも出ていたのでたぶんこれもそうでしょう。
 違うのは、エンディングに救いがあるか、ないかということ。(両者ともに終わり方の解釈はいろいろできますがそれはまた長くなりそうなので割愛)


 エンディングの違いに関しては、『リベリオン』は娯楽性が求められるアクションムービーだからバッドエンドは似合わないし、『1984』はいかにディストピアが描かれるかに重点が置かれているから救いのない終わり方のほうが良い、というのはその通りなんですが…。

 自分が考えたのは、これらのエンディングの違いは、国家か完成していたかどうかに関わっていたのではないかということです。
 『リベリオン』で反逆に成功した要因として、主人公の家族が味方であったということがあげられます。主人公家宅捜索を受けて、自身が薬を摂取していないことがばれそうになるも、国家に洗脳されていたはずの息子の助けでそれをうまく回避しました。国家は家族の絆までは断ち切れるほどの政策を実行していなかった(できなかった)わけです。
 『1984』では、主人公が敵だと疑っていた女が自分を愛していると告白を受ける一方で、国家に反対する同様の精神を持つとして信頼していた人物に騙されて逮捕されます。精神だけでなく言語や過去までをも操り、真の意味で完成に至っている国家の前で反逆者はなすすべがありません。またこの国家では日記をつけたりすることが許されないだけでなく、言語自体が韻や機智を許さない超簡略化
された新しい言語を使うよう推奨されています。『リベリオン』でも芸術や音楽を取り締まっているものの、ここまで根本的に市民を管理しようという程ではありません。市民も子供から老人まで国家によってあらゆる教育が施され、裏切り者はたとえグレーゾーンでも即密告され処刑に至ります。

 国家が完成するため要因であり、『リベリオン』の国家に足らず、『1984』の国家にあったもの。それは過去を「改竄する」能力ではないでしょうか。
 『リベリオン』で息子が主人公を助け、また主人公も息子を信じた理由は、過去に母(嫁)が感情違反で警察に捕まり処刑されたという過去があり、その過去に対して両者とも悪感情を抱いており、当然国家のあり方にも批判しています。
 『1984』では国家の都合のいいように過去が改竄され、また尋問という名の拷問によって個人の精神に至る思い出や思想にまでも「改竄」が行われます。国家へ不信感を抱いていた主人公が、国家側の人間を信頼していしまい、最後には国家に屈服し愛するにまで至ってしまう過程には、感情だけでなく、過去までをも揺らがせる国家の恐ろしい改竄能力があったからです。

 『リベリオン』の国家は管理において完成しておらず、それが家族の思い出と絆までは断ち切れなかったため、反逆に成功されてしまう。対して『1984』は完成された国家の様子と、その例としてムダなあがきをする主人公が描写された作品であったといっていいでしょう。


 そんなわけで、『リベリオン』は国家が反逆者を利用して反逆者を捉えるという点まではいいところだったのに、息子はいつ主人公を裏切るのかという変な期待感は裏切られてしまいました。このエンディングが嫌というわけではないのですが、ちょっと肩透かしを食らった感じでした。裏をかきすぎ!


 長々と感想(というより妄想)をぐだぐだ述べてきましたが、そんなこと抜きにして普通におもしろい作品でした。SFに特別詳しくない、興味がないという人でも、ガン=カタのおかげでだいぶ見やすいと思いますよ。



~蛇足~
 余談になりますけれど、今大学の卒業研究の題材を決めなければならないのですがですが、この『1984』を初めとするディストピア作品について触れていこうかなーと薄々考えています。『未来世紀ブラジル』とか『時計仕掛けのオレンジ』とかも見てみたいですね。
 SFに関しては素人同然なので、なにかオススメの作品とかありましたら教えてください。

■コメント

■ [ビタワン]

リベリオン懐かしい!
ガン=カタのアクションがかっこよかったですw

■ [ガルベロス]

コメントありがとうございます!
難しいことダラダラ書いてますけど、結局一言で言えば「ガン=カタかっけえええ!!」なんですよねw理論も単純明快で非常によろしい。
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比那名居天子とプログレッシブロックとMTGが主食。

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