うわあ゛あ゛あ゛あ゛

久しぶりに音楽の話でも徒然と。
レビューもしましたけど、そもそもレビューが必要かというくらい有名なKingCrimsonのアルバム『クリムゾンキングの宮殿』、そしてそのジャケットを飾る上の絵。描いた人がアルバム発表の数ヵ月後に24歳で亡くなるというエピソードも付随してとてつもないインパクトがあります。音楽の内容以前にこのジャケットがあったからこその名盤だと私は信じて疑わないのです。
プログレというと難解だ非ポップだという印象もありますけれど、このアルバムはプログレの代表作というわりには非常に聴きやすいのではないでしょうか。歌のメロディ自体は結構ポップですし。ムーンチャイルドの後半部分は飛ばすって人もいるらしいですが、強いて言うならそこ以外は誰でも聴ける曲だと思います。
ジャズやクラッシックをロックにぶちこんだこと、しかもそれが70年代に入る前だったという先取り、そして数多のバンドから突出した個性、これらの要素がこのアルバムのプログレたる理由なんでしょうね。
それでもやはり、後期になるにつれて即興やポリリズムが組み合わさって、非ポップ・難解化が進んでいくプログレ志向と比べても、このアルバムはプログレの金字塔であり万人にうける音楽という絶妙な立ち位置にいる不思議な作品だと思います。新しいこと、やりたいこと、できること、これらを満たした上で商業や評価で成功を収めるなんてそうそうあるもんじゃないです。プログレって基本売れない音楽ばかりじゃないですか。非商業的作品で社長に怒られたり入院しても治療費が払えなかったりするヒュー・ホッパーや、ギタリストの命であるギターを売らざるを得ないほど金に困っていた時期もあったアラン・ホールズワースとか。
あえて、その売れないという要素も、またプログレの一つの要素であり、また魅力と考えてみたり。「俺はこんな売れないマイナーでヘンテコなバンドを聴いているw」というのもプログレ愛好家の変態的なステータスですしね。プログレが好きだって人はたぶん『宮殿』を好きなアルバムとしてあげないんじゃないでしょうか。『宮殿』なんて挙げるまでもない!とか、なんだかミーハーみたいじゃん!とか、同じクリムゾンなら『太陽と戦慄』『アイランズ』を挙げるわ!とか。あくまでも予想ですけど。
なんにせよ、『宮殿』はプログレであり、名盤であり、そして私のプログレにはまるきっかけであり、お気に入りの作品なのです。聴いたことが無い人は女房を質に入れてでも聴けばいいと思います。
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